親子が多様化、性別変更の父親認める~親族・相続法

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親子が多様化、性別変更の父親認める~親族・相続法

司法書士というお仕事 ~司法書士鈴木一郎の歳時記~,相続手続

2013/12/12 親子が多様化、性別変更の父親認める~親族・相続法

12月10日に最高裁が性同一性障害により
女性から男性に性別変更をした”男性”と
その妻との間に生まれた、血縁関係がないことが
明らかな子との父子関係を認める判決を出しました。

 

<参照>
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1102Y_R11C13A2MM8000/

 

この問題は医学の目覚ましい発展という
民法制定当時にはまったく考えもしていなかった
事態により発生しました。

 

それも納得できることだと思います。
なにしろ私自身もこの裁判を初めて聞いたときに
もうそんな時代になったんだと驚いたことを
鮮明に覚えています。

 

また、私が属している司法書士有志の勉強会では
昨年から、親族・相続に関する法律である
家族法の改正を検討してきていますが、
生殖医療の発展と民法の対応はホットな
論点のひとつでした。

 

 

今回の判決は、特例法が「性別変更後は
新たな性別として各種法律が適用される」
という点を重視し、さらに民法では
「妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する」
と定めてあることをそのまま適用しています。

 

つまり、結婚当時既に女性は男性となっていて
正当な男性と女性の婚姻にほかならず、
さらに妻がその婚姻中に妊娠したのであるから、
その子は現在の夫のこであるという
分かりやすいロジックですね。

 

ただし、いままで戸籍の運用上は
血縁関係がないことが明らかな場合は
父子と認めないという対応をしてきました。

 

つまり、生物学上血縁がなければ父子ではない!?

 

では、血縁関係があれば父子と
認められるかといえばそうでもなく、

 

少し前にニュースにもなった
有名レスラーと女優が、アメリカで代理出産により
血縁関係の明らかな子を設けましたが、
これに対しては、「母子関係は分娩の事実により
発生する」という判例により認められませんでした。

 

生物学上はまさに親子で間違いないのですが。

 

 

それにしても医学の発展スピードが著しく、
今後も想定外の事態はいくつも発生することは
間違いないでしょう。

 

法律がこのような事態に明確な回答を出すことは
かなり難しいのではと個人的には考えています。

 

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